茶席で、たとえ何度同じ人々が会するとしても、その日の茶会はただ一度限りの機会です。招いた方も招かれた方もともに思いやりの気持ちを持って臨めば茶席は和やかで楽しい雰囲気になることでしょう。
まずは、一服(いっぷく)を楽しんでみませんか。
茶道には作法がありますが、少しずつ学ぶことでさらに深い思いやりや、日本の心を知ることができます。
ここでは、茶席での作法や抹茶のいただき方を紹介します。




茶席に入ったら、床(とこ)の前に進み掛物や季節の花などを拝見します(床の拝見とも言います)。
掛物はその茶会のテーマとも言え、その内容は、いわば亭主からのメッセージを表しています(茶会を催す人を亭主と言います)。お家元や禅宗の僧侶が書かれたものが多く見られます。
一礼をして拝見しましょう。







お点前が進むと亭主から「お菓子をどうぞ」と挨拶があります。
お菓子やお茶をいただく前に、次客に「お先に」と一礼をします。
他者への心くばりが気持ちのよいひとときを作ります。







亭主が心をこめて点てたお茶を「お点前ちょうだいいたします」と感謝していただきます。
右手で茶碗をとり左掌にのせ、右手を添えて軽く茶碗を上げ感謝を示します。
茶碗の正面でいただくことをさけるため、右手で時計回りに2度回して静かに味わいながらいただきます。
最後のひとくちは、音をたてて吸いきります。
茶碗の飲み口を右手親指と人さし指で軽く拭き、両指を懐紙で清めます。
茶碗を反時計回りに回して、正面を戻して右手で置きます。







〈作法の意味〉
茶道にはさまざまな作法がありますが、それぞれ意味があります。例えば「茶碗を回す」のはなぜでしょうか?
茶碗にはそれぞれ「顔」「正面」があります。
亭主は茶碗の正面を客に向けてお出しします。
客は謙虚な心で「正面」からいただくことを避けます。そのために茶碗を回すのです。
何回、回すかは重要ではなく、亭主の気持ちにどう感じ、どう応えるかが大事なのです。




「亭主」は少しでもおいしくお茶を召し上がっていただくため、露地の掃除から、掛物、花、お湯の温度、茶会のテーマまであらゆるものに気をくばり、「客」が五感のすべてで気持ちよく感じられるように茶席を準備します。
「客」も、「亭主」の心づかいを理解し、互いに感謝の念を持って茶会のひとときを楽しみます。





初心者向けに編集された茶道紹介動画  お茶で豊かな心を


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